日が暮れて道を行く旅人は

日が暮れて道を行く旅人はせつかちに歩いても歩いても、思ふ所に達せず廣大な夜の潮に押し流され、道を誤つて居るかと不審を起して立止れば、天體はぐる/\廻り、眠たい眼をこすれば稻妻が發し狐に廻されてゐるやうに恐くなります/\せつかちに急いで行けば、幾度も石に躓き餘りに夜は大きく、人間の小さな...

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湯屋の煙突からは

然し或る横丁の、湯屋の煙突からは時を得顏に惡どい元氣づいた煙が寒い空氣にふれて息のやうに立ち騰り賑やかな人聲、赤ん坊の泣きわめく聲が湧き起りうす汚ない朧ななりをしたそこら界隈の男や女が小供を肩車に乘せたり三人も五人も一人でゾロ/\引張つたり火事で燒き出された人のやうに小供の着替やむつきを...

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赤ん坊を抱いて

赤ん坊を抱いて夫を迎へに行く妻が幾組も通る酒を買ひに行く女が通る。ざるや皿を持つた女が通る魚屋の前にはそれぞれ特色のある異樣な一杯な人がたかりごたかへす道の上には初冬の青い靄が立ち用のすんだ大きな荷馬車が忙しなくゴロゴロ通り晝間の暖さを一杯身の内に吸ひ込んだ小供等の興奮して燥ぎ廻る金切聲...

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