或る時

幸福は追ふな、とらへようとするなそのまゝにしておけ。人間の冷たい手をそれに觸れるな。人間の息をそれに當てるな、清淨な空氣にそれを離してやれ。それを追ふな。遠く消えて行つても心配するな、

幸福のみは神の手にあれ、生き暖き神の手にあれよみがへし給ふは神の息のみ清淨な風と火の業にあれ...

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幸福

皆んな上手だ、どこで習つたのかうまい、一人々々に病的な美くしいなつこ相な特色をもつて居る。病氣上りのやうに美くしいこれ等の少年や青年は息づまる工場から出て來て青空の輝く下にちらばり心から讃め合つたりうまく冷やかしたり、一つの球で遊んでゐる。雜り氣の無い快活なわざとらしくなく飛び出し出た...

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野球

[#2字下げ]野球[#「野球」は中見出し]

王子電氣會社の前の草原でメリヤスシヤツの工場の若い職工達がノツクをして居る。晝の休みの鐘が鳴るまで自由に嬉々としてめい/\もち場所に一人々々ちらばり原の隅から一人が打ち上る球を走つて行つてうまく受取る。十五人餘りのそれ等の職工は一人々々に...

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